2020年2月8日土曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲全集より11番_リリー・クラウス

やっと2日間の極寒が終わり天気も良く暖かな一日でした。このところ、秋に予定しているプラハ、ザルツブルグ、ウィーンの旅行プランを練っている関係で、精彩を欠くゴルフから戻ったあとずっとモーツァルトのピアノ協奏曲を聴いています。初期から19番くらいまで。
リリー・クラウス、スティーヴン・サイモン&ウィーン音楽祭管弦楽団にて。ウィーン音楽祭管弦楽団という聴きなれないオーケストラは、レコーディングのためにウィーン交響楽団からピックアップされたメンバーで構成されているらしい。かのヨーゼフ・クリップスの薫陶を受けたスティーヴン・サイモンのウィーンの香りのする伴奏を受けてのクラウスのチャーミングなピアノが自在に跳ね回ります。ここでは、あまり馴染みのないピアノ協奏曲第11番 ヘ長調 k.413(387b)を少しご紹介。ウィーンへ出てきたモーッアルトが最初に手掛けたピアノコンチェルト3作品(11-13番)の2曲目です。(12-11-13番が完成順)。
第1楽章、冒頭は主和音の連打で始まり、明るく社交的でウィーンに出てきて嬉しさのあまり闊歩するモーツァルトの姿を思い描きながら聴いています。少しフライング気味に登場するピアノが愛らしい。中間部には、モーツァルト独特の憂いある旋律。カデンツァはモーツァルト自身のものです。
第二楽章、低弦のピチカートで始まりどことなく牧歌的なテーマ。ピアノと弦楽群との掛け合いを経てピアノは徐々に短調にゆらめいていく。少し夢ごこちな中間部を終えた後、どことなく悲しみを秘めたカデンツァ。そして何事もなかったかのように牧歌的に幕を閉じる。
第三楽章、センスの塊で一番好きな楽章。一転して都会的なポリフォニックな主題で始まり、特に味のある低弦群が対位風に旋律を支えるところも聴きどころ。中間部後半の流れるような弦楽群との掛け合いの旋律の美しさに思わずため息。コーダはまるでそっと筆をおくかのように静かに。。。若きモーツァルトの作品群も味がありますね。


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