2007年6月9日土曜日

クラリネット さあどっち ~ モーツァルトを語る第26弾

Photo_15第26弾は、クラリネット。クラリネットは現在オーケストラで使われている楽器の中でも最も新しく登場した楽器です。
さてどっちにするかモーツァルト好きには悩みどころです。
K581・K622(ともにアマデウス旋律美の王様と勝手に名づけているイ長調)どちらも不滅の名曲だからです。(第26弾まで出ないのがおかしいが)これらの曲をモーツァルトに書かせたのはボヘミアに近い国境の町ブルックに生まれた名人クラリネット奏者アントン・シュタトラーである。モーツァルトは1781年から死ぬまで10年間ウィーンで暮らしていたが、シュタトラーとは特別に仲の良い友人同士であったようだ。借金で苦しむモーツァルトから借金をして返済もしていないかったという話もあるくらいだ。そんな友の為にクラリネットの為の名曲を書いた。

第26弾は、「クラリネット五重奏曲 イ長調 K581」通称「シュタトラー五重奏曲」。こちらにしました。K622もいずれ登場させます。結局選べないのです。
さてK581は1789年にA管(写真右の大きい方)のクラリネットのために書かれています。<B管が変ロで、A管がイで半音低い>K581は4つの楽章があります。弦楽四重奏を相手にクラリネットがソリストのように活躍します。また、クラリネットが「従」になったりもします。3オクターブの広い音域で魅力をあますことなく繰り広げます。
第一楽章アレグロ、第二楽章ラルゲット、第三楽章メヌエット、第四楽章アレグレット・コン・ヴァリアチオーネ で、先にも書きましたが第一楽章は弦楽四重奏をバックにあたかもクラリネット・コンチェルトの様相です。ラルゲットはクラリネットがそれはそれは美しいメロディーを気高く歌い上げます。メヌエットは優しく美しいメロディーです。トリオは二つあり、イ短調・イ長調と調性がガラッと変化します。第2トリオでは再びクラリネットが牧歌的雰囲気で活躍します。第四楽章は主題と変奏曲6曲という形式です。快活な第4変奏に続く番号の振られていない第五番目のアダージョは優雅な旋律、さらに番号なしの第六番目のアレグロで華やかに曲を閉じます。

一番のお気に入りは、第3楽章Menuettoの「TrioⅠ:イ短調」です。実はここではクラリネットは登場しない。弦楽四重奏です。思わず涙がこぼれそうになるくらいです。楽譜も載せておきます。↓
5813trio2
5813trio3
というわけで、音はMenuettoにしようと思いましたが、私にはとても選びきれません。
すべて貼り付けます。ご堪能ください。
k.581 - I. Allegro(クリック)
k.581 - II. Larghetto(クリック)
k.581 - III. Menuetto(クリック)
k.581 - IV. Allegretto con variazioni(クリック)   

0 件のコメント:

コメントを投稿