2019年2月9日土曜日

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」_コンヴィチュニー


メンデルスゾーン、実は第5番目の交響曲、交響曲第3番イ短調 Op.56 「スコットランド」を聴く。コンヴィチュニー、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(1962年録音)。メンデルスゾーンが佇んだ「ホリルード寺院」の絵画とともに<ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール作>。
この序奏の弦楽群の音の素晴らしさは何だろう!哀愁漂う木管群をささえる、木肌感がありながら寂寞としたヴァイオリン群、深みと表情の豊かさを持つ低弦群。ノンビブラートがもたらす音の質感が、スコットランドの荒涼とした冷たさを感受させる。豊潤なコンヴィチュニーの一面を垣間見る(聴くヵ)ことができる。5分足らずの2楽章も面白い、バグパイプに通じるペンタトニック(「ソ」と「シ」抜き)のクラリネット。疾走感のあるこの楽章も好きだ。
第3楽章Adagio、翳りのある旋律は、やがて優しいまどろみへ変化してゆく。ピチカートに支えられゲヴァントハウス管の生真面目なヴァイオリン群の音質が、歌謡風になりそうなこの旋律に格調をもたらしてる。そしてコンヴィチュニーの巧みなルバートだけが、この旋律を艶っぽく歌わせる。
終楽章、イ短調。ここは、コンヴィチュニー、ゲヴァントハウス管の真骨頂だ。ティンパニーの勇壮さに乗せて時折見せる管楽群の咆哮。深みのある低弦群。中音域の厚みのあるオーケストレーション。もうすでにブラボーだ!終わりなきと思われた嵐のような音の波は寂しげなヴァイオリンの旋律で終息を迎え一瞬の全休符。そしてコーダ、テンポを落として6/8拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌う。この唐突でありながら意外性を持つ回転劇のような展開にあっけにとられながら一種の幸福感を感受。最高の一枚だ!





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