2016年11月11日金曜日

ドイツ・レクイエム 16

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第16回目となります。
①クレンペラー②サバリッシュ③ヤルヴィ④ジュリーニ➄セル⑥コルボ⑦アーノンクール⑧ケーゲル⑨ロバート・ショウ⑩アクサンチュス⑪コッホ⑫ヘレヴェッヘ⑬シノーポリ⑭クーベリック⑮バレンボイム
第16回目は、ジェームス・レヴァイン:シカゴ交響楽団&合唱団、キャスリーン・バトル(ソプラノ)ホーカン・ハーゲゴール(バリトン)による1983年録音です。「合唱の神様」と言われたM.ヒリス女史の指導による合唱の美しさが何といっても魅力です。
レヴァインは、曲の入りを比較的明るめの中庸な音のバランスで、テンポも引きずることなく、淡々とコーラスに歌わせます。これは淡白かと思いきや、第2曲は、じっくりとしたテンポでドラマチックな構築をしていきます。ティンパニーの使い方、コーラスの強弱感、中間部の長調から「人はみな草のごとく」へ戻る時の間のとり方など独特かもしれない。後半部アレグロの起伏にとんだ喜びの表現は、レヴァインらしくオペラ的な要素を感じることができる。これは、CSOの金管群の成せる業か。
第3曲、バリトンのハーゲゴールは、いい声なのだが少し私には艶っぽすぎる声だ。後半の壮麗なフーガは、やはりもう少し速いテンポで駆け抜けてもらいたかった。
第5曲、キャスリン・バトルの声はさすがです。この曲をここまで可憐に歌えるのはキャスリンだけかも。極めて耽美的な「慰め」の1曲ではないでしょうか。
第6曲、2曲同様にドラマチックな構築。大フーガのテンポ感も実に巧みだ。
第7曲、第1曲同様に、淡々と終わりを迎えます。
総じて、救いと報いを大らかに歌い上げる形式でのドイツレクイエムといえるでしょう。

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