2025年12月26日金曜日

モーツアルト ピアノ協奏曲第23番_ポリーニ

モーツアルト ピアノ協奏曲第23番イ短調 K.488、ポリーニ(P)ベーム:ウィフィルハーモニー(1976年録音)にて聴く。
ポリーニ 34歳の時のベームとの競演だ。
さて、K.488は、オーボエを外してクラリネットを加えた編成なのが特徴だ。K.488がイ長調なのはうなづけよう。第1楽章、清涼な朝の風のようなメロディ。主題を繰り返すピアノが登場してもその爽やかさは失われない。しかしいつしかモーツァルトお得意の短調に支配され再現部まで続く。カデンツァはモーツァルトのもの。緩徐楽章は、あまりにも悲しい。ピアノのモノローグを受けたクラリネットの高音の悲痛な叫び!ここにモーツアルトの神髄を垣間見ることができよう。終楽章は、うって変わって明るく快活だ。軽快に踊るピアノ、ファゴットとクラリネットがしっかりと味付け。ではあの緩徐楽章のメロディは一体何だったのだろう。と誰もが感じるだろう。ポリーニのピアノは円やかな響きで、躍動感をわざと抑え込んだ演奏。この曲のイメージにはよく合う。ピアノの硬質な響きの場面では、管弦楽がふんわりと包み込むのも良き。やはりこの演奏は23番でお気に入りの1つである。



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