2016年10月1日土曜日

ドイツ・レクイエム 15

月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第15回目となります。
①クレンペラー②サバリッシュ③ヤルヴィ④ジュリーニ➄セル⑥コルボ⑦アーノンクール⑧ケーゲル⑨ロバート・ショウ⑩アクサンチュス⑪コッホ⑫ヘレヴェッヘ⑬シノーポリ⑭クーベリック
第15回は、バレンボイム指揮ロンドンファイル+マティス&フィッシャーデュスカウ(1972年録音)。バレンボイムは、後年、シカゴ交響楽団・合唱団、ジャネット・ウィリアムズ、トマス・ハンプソンとの演奏もあるが、貫禄のソリストということで、こちらを選択。バレンボイム盤は、どちらもたっぷりと歌わせる構成となっている。特に第1曲。遅すぎるという批評もあるが、私は決して気にならない。合唱も美しい。(テノールには少し難があるが)。
第2曲は、ティンパニーが印象的だ。もともと変ロ短調で極めて深刻に始まるが、So seid nun geduldig, lieben Brüder,から変ト長調へ。この部分の優しさが堪らなく好きだ。第3曲、フィッシャーデュスカウはさすがだ。まるで歌曲風の哀歌を聴いているようだ。答えの得られないもどかしさを見事に表現している。第5曲、マティス30代の歌声は、実に美しく透明感がある。フィッシャーディスカウ、マティスといえば、バッハの教会カンタータを思い浮かべる人も多いだろう。ドイツレクイエムにおける、この二人の競演は、貴重だ。
第6曲、大フーガへ至るまでの抑揚と盛り上げは合格点をあげたい。
バレンボイムの几帳面さと歌心がにじみ出る演奏である。

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