2016年12月17日土曜日

チャイコフスキー 交響曲第5番_ケンペン

全集物以外の単独交響曲のCDで2番目に保有数が多いのが、何故か「チャイコフスキーの5番」である。
(1位はブラームスの2番)
今日は、その中からケンペン:アムステルダム・コンセルトヘボウ管を紹介したい。(1951年録音)_<この時代は、アムステルダムでした。ちなみにロイヤルが冠されたのは、1988年です。>
さて、ベイヌムが常任指揮者のころですが、前任のメンゲルベルクの十八番といえば、この5番があるためベイヌムは遠慮したのか、確か録音はないだろうと思われます。

しかし同じオランダ人で、ドイツで活躍していたケンペンが見事な演奏を残してくれていました。
この演奏、メンゲルベルクと同じく、第4楽章の大胆なカットがビックリさせられるでしょう。とにかくケンペンの男気溢れる爽快な5番は他の追随を許さないのでは。
金管群の限界の咆哮、ティンパニーのド迫力、弦楽群のこの時代特有のポルタメント、ピチカートの強めのリズム。第1楽章から圧倒されてしまいます。

第2楽章のアンダンテカンタービレは、重厚な弦楽群の中から浮かび上がるホルン、それを受け継ぐオーボエの音にうっとり。そしてまたトゥッティ部分のトロンボーン、ティンパニーに登場とのメリハリがたまりません。
終楽章の圧巻のコーダ。誰もが指摘するようにまさに重戦車の如く、駆け抜けていく(そのための再現部手前の大胆な100小節超のカット_210~305小節まで)。
そしてメンゲルベルク同様(セルも)の後半部でのシンバル。しかし、1回ではなく2回!!
これは、個人的には貴重な5番の一枚ですね。


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