2017年3月11日土曜日

ドイツ・レクイエム 21

3月11日:日本人の「ドイツ・レクイエム」ファン(ヲタ?)としては、キリスト教徒ではなくても、今日という日は、やはりこれを聴かざるを得ないでしょう。
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月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズ。第21回目となります。
①クレンペラー②サバリッシュ③ヤルヴィ④ジュリーニ➄セル⑥コルボ⑦アーノンクール⑧ケーゲル⑨ロバート・ショウ⑩アクサンチュス⑪コッホ⑫ヘレヴェッヘ⑬シノーポリ⑭クーベリック⑮バレンボイム⑯レヴァイン⑰ケンペ⑱マゼール⑲アンセルメ⑳クレツキ
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第21回目は、シューリヒト:シュトゥットガルト放送交響楽団、シュトゥットガルト放送声楽アンサンブル、フランクフルト放送合唱団、マリア・シュターダー(S)、ヘルマン・プライ(Br)<1959年録音>。最初に申し上げておきますが、録音はかなり残念です。
シューリヒトには、北ドイツ響、フランス国立管弦楽団との録音もありますが、今日はシュトゥットガルト放送響との演奏で。
さて、シューリヒトのドイツ・レクイエムは、「朗々として清廉」という言葉が似あうのではないでしょうか。
ヘルマン・プライには、他盤で見られるようなモノローグ的でなく、実に力強く生気に満ちた声で歌わせています。そのため第3曲は、フーガまでの緊迫感の中に重苦しさはなく「希望」へのつながりがはっきりしています。
第4曲、Selig動機の変奏であるこの曲は、実にテンポを大きく揺らしています。ここにシューリヒトの慈愛の深さを感じます。
第5曲、マリア・シュターダーは流石です。高音で割れてしまう当該録音ですが、シュターダーの美しい声だけは、さすが天上からの声とも言うべきか、全く影響もなく清らかで柔らかい歌声が響き渡ります。そしてここでも、シューリヒトは、悲しみの母というよりも、強い母と天のイメージでシュターダーに歌わせているようです。他盤に比べて実に力強さを感じます。
第6曲、シューリヒトのきびきび感と1音1音の切れ味の良さが光ります。力むことなく自然体でスフォルツァンドまで持って行き、淡々と大フーガへつながっていきます。力強さを持ちつつ優雅に華麗に歌われる賛歌です。
こちらも、お勧めの一枚となります。



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