2019年8月24日土曜日

ブラームス ドイツレクイエム 38

昨日、大学の同級H氏が最近お気に入りでアップロードしてくれ戴いた音源、ブラムース「ドイツ・レクイエム Op.45」フリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団、シュトゥットガルト・クラシッシェ・フィルハーモニー、ユリア・ボルヒェルト(s)、ミヒャエル・フォレ(b)、1997年、(ブラームス没後百回忌)、シュトゥットガルト・リーダーハレ、ヘーゲルザールにおけるライヴ録音。を聴く。
小編成のオケであるが、ティンパニーの打撃を強く意識した演奏である。弦楽群は極力ビブラートを抑え、木管群を浮かび上がらせるように構築されている。
第1曲、速度は前半は速め、後半はコーラスにじっくり謳わせるよう遅めのテンポ。冒頭、重苦しさは微塵もなく、静かに夜が明けていくような雰囲気をもつ。コーラスは、霧の向こうから聴こえてくる如く、美しいソプラノと柔らかみのあるバスが印象的だ。第2曲、小編ながら中々の迫力を演出するオーケストラ、ここでのティンパニーの使い方が抜群。ト長調からの(So seid nun geduldig)コーラスの優しさは、神の暖かなまなざし、しかしすぐに元の重苦しさへ引き戻される。「Aber des Herrn Wort 」の宣言のくだりは、個人的にはもう少しボリュウム欲しいところか。続くアレグロ部大きくテンポを揺らしているが、コーラス陣はきっちりとついてきているのは流石。3曲、バリトンのフォレは、落ち着きのある声。影絵のように独唱を模倣しながら緊迫を高めるコーラスもうまい。フーガは、もう少しコーラスが前へ出てもらいたかった。(録音のせいか)持続低音Dもそのわりに効いていない気が。4曲、この舞曲は短いのだが、個人的には好きだ。Selig動機の変奏が使われていたり、短いフガートなど。ベルニウスは、少しテンポをゆっくり目でコーラス陣をリード。5曲、ソプラノのボルヒェルトは、少し線が細いか。綺麗な歌声であるが、もう少し憂いが欲しいところ。
6曲、バス独唱後のスフォルツァンドは、この編成ではやはり迫力不足なのだろうか。大フーガ、各パートともうまいのだが、この賛歌の持つ「圧倒的」さが残念ながら聴こえてこない。7曲、救いと報いの旋律。ベルニウスの終曲への思い入れを感じる。透明な色彩のハーモニーを堪能できる終曲だ。


2019年7月7日日曜日

マーラー 交響曲第4番_オッテルロー



梅雨を実感させられる土日となりました。2日間、外へ出たのはコンビニに行っただけ。今日の午後は、特にゴルフ中継に釘付けでした。女子・男子とも追いついてプレーオフ、遼君の久しぶりの優勝、渋野の勢いを感じる優勝と嬉しいシーンを観れました。(共に素朴な韓国勢を破っての優勝)
そして、音楽はマーラー交響曲第4番ト長調、オッテルロー(C)ハーグ・レジデンティ管弦楽団 、テレーザ・シュティヒ=ランダル(Sp)<1956年録音>。ソプラノのテレサ・シュティッヒ=ランダルは、トスカニーニに見いだされたアメリカの歌手らしい。天国的な楽しさを謳うその歌声は、可憐であり落ち着きのある魅力にあふれている。ハーグ・レジデンティ管弦楽団は、勿論オランダのオーケストラなんですが、よく知りません。しかし、低重心で味わい深い響きが素敵です。第3楽章、Adagioの冒頭、甘すぎず端正な響きながら柔らかさをもち心地よい弦楽群です。すすり泣きのヴァイオリンも見事です。良き1枚に出会いました。

2019年6月29日土曜日

フォーレ レクイエム_アンゲルブレシュト

フォーレ「レクイエム」を久しぶりに聴きたくなった。クリュイタンスでもなく、バレンボイムでもなく、コルボ、ヘレヴェッヘでもなく、デジレ=エミール・アンゲルブレシュト指揮 フランス国立放送管弦楽団・合唱団(1955年録音)フランソワーズ・オジュア (S)ベルナール・ドゥミニ(Br)ジャンヌ・ブドリー・ゴダール (Org)で。
まずは、オジュアのソプラノが凄くいい。清楚で真摯なソプラノだ。ドゥミニのバリトンは、癖のないいい声でフォーレの音にとてもよくあっている。録音の為か、コーラスが極めて直線的に声を届けてくれる。決して抜群に上手いというわけではないが、気品を崩さずいかに

も宗教的である。

2019年6月9日日曜日

ブルックナー 交響曲第7番_フルトヴェングラー



今日の音楽。ブルックナー 交響曲第7番ホ長調、フルトヴェングラー;BPO(録音、1949年)にて。
「フルトヴェングラーならでは」は、第1楽章冒頭から聴こえてくる。チェロの振幅の大きなフレーズに合わせ、ヴァイオリンのトレモロが同じように謳う。そしてチェロからヴァイオリンへ旋律が移ると一気に熱量が高まる。これほどに熱い冒頭はあまり聴かれない。(ちなみに、この録音では、チェロからヴァイオリンへ移行する前に1音だけホルンがアウフタクトで入るパターン)、これは再現部でのトレモロも同じ。そして、なんといってもチェロの響きの素晴らしさ。
第2楽章Adagioは、振幅・起伏のある弦楽群、第2主題出だしの穏やかさ、そこからフレージングにそって音量を変化させつつ音楽そのものの密度を深めていきます。そしてラストのワグナーチューバとホルンの意志を持つ調べが印象的です。
第3楽章のスケルツォは、フルヴェンの真骨頂。自然な高揚感を伴いズンズン歩をすすめる。中間部では、ヴァイオリンを優しく歌わせる。ラストは、魔界の軍団が突き進むような激しさ。
やはり名盤か。

2019年5月25日土曜日

フルトヴェングラーの大戦前の録音集6枚組

今日の音楽。フルトヴェングラーの大戦前の録音集6枚組。
あの37年の「運命」や38年の「悲愴」も収録。そして、ヒトラーがピストル自殺をした翌日(1945/5/1)に、ラジオ局「ライヒセンダー・ハンブルク」が通常の放送を中断し、まもなく重大なニュースが発表されるとアナウンスしヒトラーの死の発表前に流れた、1933年のワグナー「神々の黄昏」の<ジークフリートの葬送行進曲>と1942年のブルックナーの7番の第2楽章アダージョも収録されています。



2019年5月19日日曜日

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番_フェラス

久しぶりにモーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番が聴きたくなる。お気に入りは「グリュミオー」だが、今日はフェラスで。ヴァンデルノート(C)パリ音楽院管(1960年録音)。チャーミングな装飾音を奏でながら颯爽と、カデンツァの高音部pppのどこまでも届きそうな柔らかさはフェラスならでは。珠玉のアダージョ、その入りの哀しみを堪えた美しさは絶品。27歳のフェラスの瑞々しい演奏に拍手!!


2019年3月30日土曜日

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番_ウェーバージンケ


ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調 OP.58、
アマデウス・ウェーバージンケ、コンヴィチュニー指揮:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1961年録音)を聴く。
昨年隠れ名盤として紹介したディーター・ツェヒリン、コンヴィチュニー指揮:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(https://mozartgogo.blogspot.com/2018/10/3.html)と同じ年の録音。そしてピアノは、勿論「ブリュートナー」であろう。ウェーバージンケは、オルガニスト兼ピアニスト。あのカール・リヒターと1950年のバッハ・コンクール(オルガン部門)で1位を分け合った実力者。
第1楽章、「運命動機」のピアノの柔らかい独奏を受け、ロ長調でシルキーなLGOの弦楽群が応えると、そこには自然と優しさが生まれる。優美な第1,2主題ともうひとつの短調の副主題を持ち展開の深さを感じる。ウェーバージンケは、オルガニストらしく、低音部の響きが聴いている。カデンツァは、流麗でバッハのインヴェンションを聴いているかのようだ。「ブリュートナー」の音は暖かみがある。
2楽章、かなりゆっくりのテンポで低重心の弦楽群。ピアノ音はどことなく儚げに。「ブリュートナー」の高音部の響きが深遠さを増す。
第3楽章、少し音量を控えめに始めるコンヴィチュニー。弾むような明るい主題だが少し遅め。ピアノが主題を繰り返す。(この時の裏のチェロが実は好きだ)管楽群が参加してテンポを少しアップ。ここから第2楽章から解き放たれ快活さが生まれるのか。ウェーバージンケの強弱感の確かさと低音部の響きが逆に高音部の音の粒を引き立てている。
やっぱり4番を聴いていしまうこの頃。

2019年3月3日日曜日

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲_フランチェスカッティ

昨日とうってかわって肌寒い雨の「ひな祭り」。書斎に引きこもり。チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35を聴く。ジノ・フランチェスカッティ、ミトロプーロス;ニューヨークフィル(1954年録音)。
『ハート』と名付けられた1727年製のストラディヴァリウスが醸し出す豊潤な慈しみのある音色は、最高音の一音まで美しい。ジノの高音域での独特のヴィブラートが潤いをもたらす。テンポをかなり動かすミトロプーロスの至芸にも50代初頭の脂の乗り切ったジノには容易い。そしてフルパワーのオーケストラにも負けない音場。しかし、ミトロプーロス、1楽章も3楽章も最後は見事にテンポを速めてあくまでもドラマチックに楽曲を構成していきます
第2楽章、カンツォネッタ アンダンテ。木管群のまろやかな音に続き、ジノの妖艶なヴァイオリン。深く沈みこむような音色が直線的に心に浸みこんでくる。途切れなく始まる第3楽章、民族舞曲トレパークに基づく第1主題のリズムが心を揺さぶる。第2主題の後、わずか緩やかにヴァイオリンが歌う部分が好きだ。主題に戻ってからは、ミトロの一気呵成が待ち構える!第2主題直前の低弦群の音も魅力的。ジノの高音の腕さばきも冴えわたる。書斎でひとりブラボー!!



2019年2月24日日曜日

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」_コンヴィチュニー

無性に「田園」が聴きたくなる。この曲の私の第一優先は、低弦楽器の深みと重量感。選んだのは、コンヴィチュニー:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(ベートヴェン交響曲全集、1959-16年録音)低弦楽器は、右位置に配置されどこまでも深く重量級だ。
第1楽章、まろやかなオボーエの基本動機の中、厚みのあるコントラバスの濃いフレージングとチェロの優しい響きが幸福感をもたらす。低重心ながら統制のとれた弦楽群の音の運びが東ドイツの風格だろうか。
第2楽章、テンポはゆっくり。「もさい」という人もいるだろう。しかし、素朴な弦楽の響きの中に、古めかしい木管群が戯れるように遊ぶ様は、大自然の優しい顔に触れているようだ。ファゴットの音がまたいい。
第3楽章、愚直なまでのスタカートの刻みの中でゴシック仕立ての舞曲が繰り広げられる。第2主題のオーボエ・クラリネットの甘さも忘れてはならない。
第4楽章、嵐は、地を這うような響きを持つコントラバスの音とともに襲ってくる。管楽群の鋼鉄の塊のような稲妻。襲ったかと思う間もなく過ぎ去ってゆく。しかしコントラバスの地鳴りはおさまらない。
第5楽章、素朴な弦楽群が繰り広げるクーライゲン、第2ヴァイオリンの優しさが嬉しい。変奏部では、第4変奏のファゴットとチェロの何と甘いこと。そしてコーダは、神への祈りだろうか。最後までコントラバスの低音に支えられたいぶし銀の音場に身をゆだねながら、ゲシュトップホルンの最終音を迎える。
感謝!!



2019年2月9日土曜日

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」_コンヴィチュニー


メンデルスゾーン、実は第5番目の交響曲、交響曲第3番イ短調 Op.56 「スコットランド」を聴く。コンヴィチュニー、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(1962年録音)。メンデルスゾーンが佇んだ「ホリルード寺院」の絵画とともに<ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール作>。
この序奏の弦楽群の音の素晴らしさは何だろう!哀愁漂う木管群をささえる、木肌感がありながら寂寞としたヴァイオリン群、深みと表情の豊かさを持つ低弦群。ノンビブラートがもたらす音の質感が、スコットランドの荒涼とした冷たさを感受させる。豊潤なコンヴィチュニーの一面を垣間見る(聴くヵ)ことができる。5分足らずの2楽章も面白い、バグパイプに通じるペンタトニック(「ソ」と「シ」抜き)のクラリネット。疾走感のあるこの楽章も好きだ。
第3楽章Adagio、翳りのある旋律は、やがて優しいまどろみへ変化してゆく。ピチカートに支えられゲヴァントハウス管の生真面目なヴァイオリン群の音質が、歌謡風になりそうなこの旋律に格調をもたらしてる。そしてコンヴィチュニーの巧みなルバートだけが、この旋律を艶っぽく歌わせる。
終楽章、イ短調。ここは、コンヴィチュニー、ゲヴァントハウス管の真骨頂だ。ティンパニーの勇壮さに乗せて時折見せる管楽群の咆哮。深みのある低弦群。中音域の厚みのあるオーケストレーション。もうすでにブラボーだ!終わりなきと思われた嵐のような音の波は寂しげなヴァイオリンの旋律で終息を迎え一瞬の全休符。そしてコーダ、テンポを落として6/8拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌う。この唐突でありながら意外性を持つ回転劇のような展開にあっけにとられながら一種の幸福感を感受。最高の一枚だ!





2019年1月12日土曜日

ブラームス ピアノ協奏曲第1番_ケンプ



久しぶりにブラームス ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15を聴く。ケンプ(p)コンヴィチュニー;シュターツカペレ・ドレスデンによる1957年の録音(Mono)。ケンプの正規録音唯一の1番。第1楽章冒頭の序奏。少しゆっくりのテンポ、牡牛の行進の如き低重心の弦楽群の中から金管群の咆哮とティンパニーの地響。そこにはデモーニッシュな色彩が宿る。ケンプが如何に応えるのか?思わず息を飲む。しかしやはりケンプはケンプだ。繊細にして落ち着き払った音の粒。コンヴィチュニーはテンポを速めケンプを煽る。ケンプもしっかりした打鍵で見事に応えるが、流麗さはなく、華やかさもない。しかし、そんなことはこのコンビを選んだ時点で承知している。無骨さと繊細さをもち威圧感のない、東ドイツの田舎者の青年ブラームスの滾る思いが込められた第1楽章が聴きたかったのだから。これだ!
第2楽章、Adagio。優しい弦楽群の下降音に朴訥とした青年のようなファゴットが加わる。そして深い安寧と安らぎをケンプのピアノが引き継ぐ。セピア色、いや墨絵のようなこのモノローグを語るにあたり、このコンビは何と相性がいいのだろう。深い悲しみを湛えたメロディ。生真面目なケンプの音には静謐さが宿っている。
第3楽章、疾走感漂うピアノソロ。もたつきはするものの、何とか立ち上がる。その後ケンプの指は息を吹き返したごとく、よく動く。決して叩きつけるような威圧感をもたず、聴く者たちに疲れを感じさせない演奏といえばいいだろうか。さて一番好きな箇所は、コーダ直前のホルンから始まり木管群へと繋がりフルートが受け取る上昇音型。交響曲1番でも見せた、この自己陶酔型幸福感が堪らなくブラームスを愛くるしいと思う瞬間だ。そういえば今日は、一歩も外へ出なかったな。

2019年1月2日水曜日

ブラームス 交響曲第1番_ヨッフム



毎年、正月三箇日には「ブラ1」を聴くことにしている。何か諸々、時代が変わろうとしている2019年の初めに聴くブラームスの1番は何が良いか?迷った末に選んだのは、ヨッフム、ベルリンフィル:1953年録音。
第1楽章のゆったりとしたテンポから現れるテーリヒェンの打音。弦楽群の分厚さはまさにフルトヴェングラーの音。しかし「オドロオドロさ」は微塵もない。重厚感は失わず、それでいてどことなく明るい生気を感じるのだ。第2楽章の美しさは、速いテンポにもかかわらず弦楽群を充分に歌わせ、木管群の上手さを引き出している。濃厚なうねりの中で明日への「祈り」を捧げるかのよう。ボリースのソロもその繊細さがここでは生きる。終楽章は何と言ってもアルペンホルン直前のテーリヒェンの滾るティンパニーロール。そこからクララへのラブコール。アルペンホルンもさることながらニコレの澄み切ったフルート、それに続くトローンボーン・ファゴットの哀愁感は抜群。完璧な序奏だ。そして弦楽群の整然としながらも艶のある響きが第1主題以降快速に進んでいく。展開部でオーケストラの音場が際限なく広がりを見せる。そしてコーダにおける金管群の張りのあるファンファーレ。絶妙なアッチェラントからの怒涛の終結。明日からも頑張ろう!!

2018年12月24日月曜日

ブルッフ ヴァイオリン協奏曲_モリーニ

今日は、年賀状作成、ふるさと納税で買った高圧洗浄機での窓・網戸の掃除、油まみれのガスコンロ横の洗浄などなど年末へ向けてひと働き。今より音楽Timeです。
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26。
エリカ・モリーニ、フリッチャイ(指揮)ベルリン放送交響楽団
(1958年10月;ベルリン、イエス・キリスト教会)
第1楽章、ティンパニの静かな響きで始まり、木管の後、いきなり始まるカデンツァ。最低音のGから一気に駆け上がっていく切ないメロディ。モリーニは最後の一音まで芳醇だ。第1主題の力強さの何と「男前」なこと。第2主題の優美なメロディに入ってもモリーニにかかれば実に清冽なブルッフなってしまう。フリッチャイもザッハリッヒカイトな伴奏でモリーニを支える。切れ目なく始まる第2楽章は甘美な旋律と和音が広がるAdagio。モリーニのヴァイオリンは、変に甘くないところがいい。哀愁を漂わせながらそれでいて実に崇高だ。
第3楽章Allegro。民族音楽風の第1主題は勇ましくここでもモリーニの「男前」さと、その見事な指捌きを発揮。コーダに入っても全く緩みなく駆け抜ける爽快な演奏です。



2018年12月15日土曜日

マーラー 交響曲第6番_ミトロプーロス

今週は、のんびりの土日です。朝からマーラー 交響曲第6番イ短調「悲劇的」を聴いています。ギリシャの名匠ミトロプーロス指揮;ケルン放送交響楽団:1959年Liveです。NYフィルとのスタジオ録音も持っていますが、今朝はこちらをチョイス。NYフィルとの演奏では、Andanteが、2楽章に来ていますが、こちらは、Scherzoが2楽章です。
第1楽章、冒頭からかなり迫力ある音質で始まる。テンポは中庸だが、かなりアゴーギクを効かした味付け。中間部の音彩が意外と明るく吃驚。メリハリは十分。展開部のヴァイオリンソロ&ホルンの実に艶っぽい音にモノラルながら感服。
第2楽章、高速のスケルツォ。トリオに至るまで緊張感のある演奏。当時のケルンの実力に驚嘆。
第3楽章、アンダンテの優しさも一級品。弦楽群の美しさも際立っている。終結部は悲しみが波の如く押し寄せるようです。
終楽章は、変幻自在のテンポで七色に変化すると表現したらいいだろうか?ダイナミックさと繊細さを持ち合わせ最後まで突き進む。マーラー演奏の先駆者の一人、ミトロプーロスの情熱を感じる演奏です。ハンマーは、3回です。

2018年11月17日土曜日

ベートーヴェン ハ短調つながりで


毎月1.3週目の土曜日は、町内の防犯パトロールの日。やっと暗くなり拍子木や警備用の赤いライトが似合う季節に。
さて、パトロールを終えて夕飯までの間、ベートヴェン!!
最近ハマっているハンス・リヒター・ハーザーでピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37。ジュリーニ:フィルハーモニア管(1963年録音)。そして、ブッフビンダーの全集からソナタ5番ハ短調Op.10-1。この曲は第2楽章Adagioが大のお気に入り。そして、ソナタ第8番 ハ短調 Op.13 「悲愴」とピアノソナタ第32番 ハ短調 Op.111。
もうお判りでしょうか。今日は「ハ短調」繋がりで。

2018年11月2日金曜日

NDRエルプフィル管弦楽団コンサート

サントリーホールで開催された「NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団」のコンサート、夫婦で行って来ました。(北ドイツ放送交響楽団の方がなじみですが)
ピアノコンチェルトを弾くグリモーが肩の故障とやらで来日できず。正直ガッカリしていましたが、、代役のブッフビンダー。これはお釣りがくると意気揚々と出かけました。
予想通りブッフビンダーのベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、秀逸でした。
感動して聴いておりました。ブッフビンダーのピアノは、玉のように転がる音も剣を突き刺すような打鍵も多彩に操り、両手のバランスが素晴らしく、私のような素人でもクッキリと音が浮かび上がってくるのがわかる。また、あれほどナチュラルなクレッシェンドとデクレッシェンドを聴かされたのは、初めてでした。細かな音符の一音一音が順番に大きくなり小さくなる。お気に入りの第2楽章は、変にもったいぶらず、それでいてリリカルな演奏でした。かみさんは、ベンちゃんのソナタのCD買ってました。NDRは、昔の録音をよく聴いている為か、勝手に弦楽群はもっと低重心だと思っていたのですが、意外にも明るめの音彩。中声部の美しさは抜群でした。管楽群の迫力は、想像通り。ブルックナー 7番。第1.2楽章共にテンポは、速めです。個人的には、第2楽章は、もう少しタメて欲しかった。第3楽章スケルツォは、抜群に良かったです。出だしから野性味溢れ中間部は、グッと柔らかく。NDRのワグナーチューバ、ホルンの豊穣な響きを満喫しました。
観客の入りは7割程度、グリモー目当てのミーハー達が来なかったようです。
また、さすがメインがブルックナーだけあって女性客が少ない。かみさんもトイレが空いてびっくりしたようでした。

2018年10月20日土曜日

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番_ツェヒリン

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37。
ディーター・ツェヒリン、コンヴィチュニー指揮:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1961年録音)を聴く。
それを確信できる耳は持ち合わせていないが、おそらくライプツィヒのユリウス・ブリュートナー・ピアノフォルテファブリック (Julius Blüthner Pianofortefabrik)のピアノ。ドビュッシーが愛用していた、いわゆる「ブリュートナー」による演奏。高音部に4本目のアリコートを持ち、この4本目の弦はハンマーで打たれることはなく、共鳴させるためだけに張られており、この共鳴によって倍音が増幅されるわけだ。豊かな、そして割れることなくこの上なく柔らかい音。
第1楽章、序奏部のLGOの渋みのある弦楽群と程よく乾いたティンパニーの打撃音の後にツェヒリンの凛として品格のある音が現れる。展開部に進むにつれ、ピアノ音は、どことなく暖かみを帯び、徐々にLGOのオーケストラと馴染みながら木管群との掛け合いを経て、珠玉のカデンツァへ雪崩れ込む。
カデンツァは流れるようなタッチ、煌く高音部の響き、悲しみを抱えながらもどこか暖かみのあるピアノ音、そして後半部に何故か現れる独特のティンパニー。
第2楽章、主調と一切の共通音をもたないホ長調のLargo。
この緩徐楽章におけるLGOの弦楽群の音の紡ぎ出す「温もり」は何とも言えない。そしてツェヒリンの変に甘くならず、それでいて只々美しい音の粒に魅了されずにはおれない。
第3楽章、軍楽風で躍るようなリズミカルなロンド。でもどこかすっきりした明るさをもたないのは属七ゆえか。この章ではファゴットから始まる小フーガが好きだ。ツェヒリンには、力みを感じさせない確かなテクニックと落着きがあり、
「ブリュートナー」の響きと相まって品格ある3番を聴かせてくれた。隠れた名盤としたい。




2018年10月13日土曜日

ベートーヴェン 弦楽四重奏協奏曲第14番_ズスケSQ

随分と朝が冷え込み、ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op.131の第1楽章 Adagio ma non troppo e molto espressivoの似合う季節となってきました。ズスケ弦楽四重奏団:1980年録音で聴いています。幽玄的で冷たさのある冒頭のフーガ、この季節はまだ柔らかな音色を持ち、端正なズスケSQがいい。真冬になるとエマーソンSQで聴いたりする。

2018年10月6日土曜日

ブルックナー 交響曲第2番_コンヴィチュニー

ブルックナー 交響曲第2番 ハ短調 WAS.102 (ハース版)、フランツ・コンヴィチュニー:ベルリン放送交響楽団で聴く。(1951年録音)。
第1楽章、ヴァイオリンとヴィオラのトレモロ(原始霧)の中からチェロが主題を奏で始めると、それはもうまさしくブルックナー!!トランペットの3連符による信号リズムに、ドロドロとしたティンパニーの連打。大きく盛り上がったかと思うと、静かにティンパニーが3つ。そしてブルックナー休止。ここからチェロによる第2主題の始まりです。このメロディーが美しくて好きでたまらない。
第2楽章、幽玄的なアダージョです。(ハース版はアダージョ)深みのある弦楽群。ブルックナーの中でも純朴な雰囲気が最も濃厚に溢れているアダージョではないだろうか。特に木管群の音彩にそれは表出している。何度も聴くと、とぎれとぎれの後に現れる弦楽の美しさに酔いしれる。
さて最後のホルンの跳躍は、ハース稿の証か。
第3楽章、多重音のスケルツォ。無骨さが際立ち、コンヴィチュニーにピッタリ。バリバリの金管群の分厚い音。中間部の弦楽群の美しさ。そして見事なアンサブル
第四楽章、「運命」の動機を伴うこの楽章の、私の利き所は押し寄せる音の波間に現れる「コントラバス」の低重感。
コンヴィチュニーらしい怒涛の金管群のバリバリ音が聴ける楽しさもある名盤だ



2018年9月30日日曜日

ブラームス 弦楽六重奏曲_メニューイン



秋の夕方は、ブラームス 弦楽六重奏曲を聴こうか。
ユーディ・メニューイン、ロバート・マスターズ(Vn)
セシル・アロノヴィッツ、エルンスト・ウォルフィッシュ(Va)モーリス・ジャンドロン、デレク・シンプソン(Vc)

2018年9月28日金曜日

ブラームス 交響曲第3番_クナッパーツブッシュ

クナッパーツブッシュ;ベルリンフィル 1950年録音
ブラームス 交響曲第3番へ長調 Op.90。
この演奏だけは、最初に聞いた時・・北島康介ではないが、「なんにも言えねぇ~」だった。そしてとても好きにはなれないのだ。しかし、どうしてもこうして何度も何度も聴きたくなる。なにか心にグサグサつき刺さるものがある。この演奏はよく表現される寂寥や哀愁ではない。咆哮の第1楽章、暗澹の第2楽章、哀哭の第3楽章、慟哭と切迫の第4楽章。うーん
やはり、クナは異形の創造者だな!!


2018年9月17日月曜日

ブルックナー 交響曲第7番_ベイヌム

スクリベンダムの「ベイヌム」のBOX 1.2 です。CDにもジャケットの表紙が印刷されていてお洒落。
今日は今からGOLFです。その前にブッルクナーの交響曲第7番 ホ長調を聴いていきます。コンセルトヘボウ管との1953年録音(mono)です。
GOLF前なので、重くならない颯爽としたベイヌム盤を選択。コンセルトヘボウ管の弦の美しさ、管楽群の響きの良さはモノラルでも十分に伝わってきます。
快速でありながらロマンチックな演奏です。変に重厚でねっとりとした感情に溺れず、それでいて美しいAdagioがベイヌムの魅力です。




2018年9月15日土曜日

ワグナー ニュルンベルグのマイスタージンガー_ケンペ

3連休ですが、あいにくの雨模様。といっても初めから出かける予定もなし。朝からワグナー。
往年の名テノール「ルドルフ ショック」のBOXより、1956年のケンペ;ベルリンフィル、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団、ベルリン国立歌劇場合唱団、ベルリン聖ヘトヴィヒ教会合唱団による楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」鑑賞。キャストは、フェルディナント・フランツ(ザックス)ルドルフ・ショック(ヴァルター)ゴットロープ・フリック(ポーグナー)エリーザベト・グリュンマー(エーファ)ベンノ・クシェ(ベックメッサー)など。
ケンペには、 有名なシュターツカペレ・ドレスデンとのライブ盤もありますが、今朝は一推しの「こちら」で。
当BOX コンヴィチュニーとの「さまよえるオランダ人」も収録(歌手陣も新旧錚々たる面々)されており、お買い得!!


2018年9月8日土曜日

マーラー 交響曲第3番_ホーレンシュタイン

マーラー 交響曲第3番を聴く。何故に夏に!!たしかマーラー自身が削除したけど、第1楽章「夏が行進してくる」と標題がついていたような。ホーレンシュタインには、ロンドン交響楽団との間に2つの録音がある。1つは、言わずと知れた1970年のユニコーン盤のセッション。もう一つが、1961年のライブ(mono)。最高峰の第6楽章を奏するホーレンシュタイン盤は、何度聴いても素晴らしい。
ライブ盤の方がテンポは速めだ。そして第1楽章終了にヤンやヤンヤの拍手喝さいが入っているのが面白い。
セッション盤は、かなり音質が良い。冒頭のティンパニーで既にやられてしまいます。演奏も弾きしまった緊張感の中進んでいく。第4楽章のアルト、ワッツとプロクターの甲乙つけがたしで、どちらも深みのあるいい声。テンポは変わらないが、ライブ盤の方がかなり揺らしている感じ。しかし不自然さはない。セッション盤は、少し夜にヒンヤリ感を感じるところがいい。第6楽章、これはもう言うことはないでしょう。しなやかでありながら厚みのある音彩。抜群のテンポの揺れ、自然と湧き上がる高揚感。終結部の壮大さ。これはやはり私の3番の原点です。



2018年8月2日木曜日

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番_ルプー

このところ会社の部署の異動により「飲み会」続きで、家にはただ寝に帰るだけの日々を過ごしていた。少し落ち着いたので、今夜は、大好きなベートヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58を聴いている。
ループー(P) ズービン・メータ/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(1977年録音)。
ベートーヴェンとしては異色と言わているが、私は好きだ。ルプーの美しい音は、どんなに強い打鍵でも変わらない。そして優しいピアニシモ。第2楽章の透明感の中に秘めた悲しみは何とも言えない。第3楽章の飛び跳ねる音の粒の煌き。バックを支えるイスラエルフィルの弦楽群の美しさも忘れてはならない。久しぶりに寛ぎの時間を楽しんでいる。