2016年5月29日日曜日

ドイツ・レクイエム 10

月に一度は聴きたくなる「ブラームス ドイツレクイエム」シリーズ。今朝は、Accentus(ロンドン版:2台のピアノ伴奏)で。
ピアノは、ブリジット・エンゲラーとボリス・ベレゾフスキー。
ピアノヴァージョンは、優しさと穏やかさに満たされ、これはこれで十分すぎるかも知れない。
アクサンチュス室内合唱団(Accentus)を率いる女流合唱指揮者:ロランス・エキルベイは、スウェーデンのエリック・エリクソンに師事し、またアーノンクールの助手も務めていたという。
さすがに、合唱は素晴らしい。特にソプラノは優しく美しい。バリトンのステファン・デグーもいい声だ。第5曲 ソプラノ:ピオーの伸びのある歌声も秀逸です。透明な歌声が響き渡る教会に独り座っているようなそんな癒された気分になる。重厚さやオケ版による音の広がりは求めてはいけない。しかし、鎮魂という意味でこの演奏は、十分価値ある一枚ではなかろうか。

2016年5月27日金曜日

マーラー 「大地の歌」_クレツキ

今日の一枚。マーラー 交響曲「大地の歌」。パウル・クレツキ:フィルハーモニア管弦楽団。(1959年録音)ディッキー(テノール)フィッシャー・ディスカウ(バリトン)。
バーンスタイン盤よりも7年前の若きフィッシャー・ディスカウの柔らかな歌声が聴けます。
ホーレンシュタイン盤とこのクレツキ盤がお気に入りである。
爽快感あふれ、彫の深い演奏です。

2016年5月21日土曜日

マーラー 交響曲第5番_ショルティ

21時前から書斎の椅子で寝てしまい、こんな時間の目が冴えてしまっている。
今朝・・とは言い難いが、敢えていつものように今朝の一枚。マーラー 交響曲第5番嬰ハ短調 ショルティ:シカゴ交響楽団(1970年録音)。ベタですが、やはりいい物はいい。5番と8番のショルティ:シカゴは、ある意味圧倒的であり、ベスト3には入れざるえないか。
なにしろ冒頭のアドルフ・ハーゼスの快音から引き込まれる。この時代のシカゴのブラス・セッションはとにかく驚嘆ものである。ハーゼス、クレヴェンジャー、フリードマン・ジェイコブスなど綺羅星の如くだ。

2016年5月13日金曜日

ブラームス ヴァイオリン協奏曲_グリュミオー

連休後の1週間は長かった気がします。
今夜は、ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 を無性に聴きたくなる。グリュミオー(Vn) ベイヌム:コンセルトヘボウ管弦楽団(1958年録音)。
やはりグリュミオーの音は美しく、コクがある。濃厚だが穏やかさをもつヴァイオリンの調べとベイヌムの軽やかにして芯のある伴奏。コンセルトヘボウ管のこの時代の管楽器類の素晴らしさが惜しげもなく聴けるのも嬉しい。
第二楽章 Adagio、たまりませんね。
オーボエ協奏曲ともいえる出だしの魅惑的な主題にうっとり。中間部のヴァイオリンの切なく訴えかけるコロラトゥーラのアリアも美しい。
第三楽章、グリュミオーの音を聴いているとこの曲が難曲とは思えないほどの余裕と安定感。それを支えるコンセルトヘボウの弦・管ともに壮麗にして一体感のある響き。
グッド・チョイスでした。

2016年5月8日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲12番&18番_リリー・クラウス

今日でGWも終わりですね。
今朝の一枚。モーツァルト ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414 &18番 変ロ長調 K.456です。
モーツァルトの女流ピアノスト言えば、まずクララ・ハスキル そしてリリー・クラウスの名前が出てくることでしょう。
今朝は、ハスキルに後れること8年後に生まれたハンガリー人(国籍はオーストリア)のリリー・クラウスとピエール・モントゥー:ボストン交響楽団との演奏で楽しみます。
実は、リリー・クラウスはヴァイオリニストのシモン・ゴールドベルクとの演奏旅行中の1942年 ジャワ島で終戦まで、日本軍の捕虜となっています。当時の今村均司令官はクラウス一家を丁重に扱ったと言われています。「抑留された西洋人、また捕虜の慰安の為、慈善演奏会を開いて欲しい。」今村均司令官の、この申し出をクラウスは喜んで受けました。今村均と言う軍人の寛容で人間味を感じさせるエピソードは多いのですが、これもその一つに数えられるでしょう。クラウスは、後年1963年に日本でリサイタルを行っています。クラウスはジャワ島での体験について、日本を批判する言葉を生涯発していません。「戦争の悲惨な体験によって地獄を知った分、天国の素晴らしさを音楽で歌えるようになりました。」「抑留を強いられた中でも、親切にしてくれた日本人がいました。私は日本に悪感情を持ったことなど一度もありません。」「今、神の恵みで、過去の暗い雲は取り払われ、私はあなた方の国に再び戻る期待で、深く喜ばしい感動に満たされております。」と<多胡吉郎著「リリー・モーツアルトを弾いて下さい」河出書房新社より>
さて、ピアノソナタで一世を風靡したクラウスですが、コンチェルトでは、さほど恵まれた演奏を録音されていません。結構、今では無名の指揮者やオーケストラの録音が残っていますが。
しかし当CDでは、かのピエール・モントゥーとの躍動感のあるピカピカの演奏を聴かせてくれています。粒だつような透明な響き、モントゥーに引っ張られて力強く刻むリズムの弾む音、弱音の可愛いらしさ、魅力いっぱいです。
12番は、ウィーンに引っ越しが決まったばかりのモーツァルトが作った曲ですから、第1楽章はその新天地でのウキウキ感が表現されウィーンらしい甘く柔らかで優雅な曲想のアレグロです。
第2楽章アンダンテは、安らぎに満ちたパッセージが流れますが、当年1月に亡くなったクリスティャン・バッハのオペラ「誠意の災い」序曲が主題に借用されているのです。その死を悼んでの事と推察できます。中間部での短調がその悲しみを表現しています。
第3楽章アレグレットは、流れるようなアルペジオとトリルが魅力の軽快なロンドです。12番を堪能できる1枚です。
18番は、何といっても緩徐楽章ですね。変ロ長調の平行移調であるト短調で書かれています。「フィガロの結婚」でバルバリーナが歌う「カヴァティーナ」に似た主題を含む5つの変奏曲から構成されています。切なくも暗い序奏に続く、ピアノのソロ。短調と長調を彷徨いながら展開する変奏曲の妙はモーツァルトならではです。
クラウスのピアノが一番発揮されている楽章でもあります。
かなり長くなりましたネ。今朝も有難う「モーツァルト」であります。

2016年5月2日月曜日

ドイツ・レクイエム 9

明日より昨年に続き「GW:北海道」へ出かけますが、その前に、またまた月に1度は聴きたくなるブラームス「ドイツ・レクイエム」シリーズです。(この曲どんだけ持ってんねん!!)
今夜は、ロバート・ショウ:アトランタso. & cho. オジェー(S)スティルウェル(Br) 【1983年録音】で。
さすが、ショウだけにコーラスとオーケストラが絶妙に溶け込む見事なバランス。コーラスは勿論上手い。透明感のある音色。第6曲、ヨハネ黙示録4章による大フーガは、力強く!!しかし決して乱暴にならず優美。圧倒的な「讃歌」といえるだろう。

2016年4月30日土曜日

ブラームス 交響曲第3番_ザンデルリンク

今朝の一枚。ブラームス交響曲第3番 ヘ長調 Op.90。クルト ザンデルリンク:ドレスデン シュターツカペレ(1972年録音:ルカ教会)。
ザンデルリンクは、ベルリン交響楽団と90年代に再度、ブラームス交響曲全集を録音しているが、やはりドレスデン盤が役者が上ではないだろうか。ドレスデンの渋みのある重厚な弦楽群、ゆったりとしたテンポ、浮かび上がる木管の美しさ。ドレスデンの魅力の一つは、チェロ・ヴィオラ・ベースが見せるズシリ観と雄弁さと熱さ、そしてペーター・ダムのホルンでしょうか。「3番」やはり愛すべきシンフォニーです。

2016年4月29日金曜日

ファウスト

今日は、一日中 書斎兼音楽室兼PCルームに引きこもりです。
今朝は、ゲーテの「ファウスト」を題材にした2曲を聴きます。
まずは、ベルリオーズ「ファウストの劫罰(ごうばつ)」モントゥー:ロンドン交響楽団【1962年録音】
そして、リスト「ファウスト交響曲」ショルティ:シカゴ交響楽団【1986年録音】。
「ファウストの劫罰」は、マルケビッチ:ラムール管とこのモントゥー盤の2枚のみ保有。今日は、モントゥー盤で。モントゥーにとって、ベルリオーズは重要なレペルトワールで、数々の名盤を残していますが、「・・劫罰」全曲録音は、こちらのみという貴重な演奏です。
「ファウスト交響曲」はリストがベルリオーズに<ファウスト>を読むことを薦められ、その作品性に魅了され作曲し、楽譜をベルリオーズに捧げています。シカゴの高い ensemble力を如何なく発揮させたショルティの隠れた名盤ではないでしょうか。
両方で、200分しばし、さようなら!!

マーラー 交響曲第4番_シノーポリ

今日からGW。取りあえず3連休。この季節にふさわしい優雅さと美しさをもつマーラー 交響曲第4番からスタート。
演奏は、シノ―ポリ:シュターツカペレ・ドレスデン、(SP)ユリアーネ・バンゼ(1999年LIVE)。
ワルターは、この曲を「天上の愛を夢見る牧歌である」と語っているが、第三楽章は本当に美しい。幸福感溢れる、しみじみとした感じが好きでたまらない。第四楽章、ソプラノ:バンゼの少し籠った歌声、伸びやかな艶を帯びてこの曲にフィットしている。

2016年4月24日日曜日

モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第40番_パールマン:バレンボイム


今朝の音楽。
モーツァルト:ヴァイオリンソナタ集(パールマン:バレンボイム)から、40.41.42番を。
この40.41.42番は「三大ソナタ」と呼ばれている。
その中から40番 変ロ長調 K.454をご紹介。
この曲が面白いのは、決然とした、そして美しいラルゴの序奏から始まるところか。それに続く活き活きとしたアレグロは、軽快なピアノに導かれて華麗に疾走するヴァイオリンの妙。2つの楽器が絶妙に掛け合いながら展開部でわずかばかり忽然と短調の調べで翳を落とす。ここがモーツァルトの天才的なところか。
緩徐楽章は、子守歌のような優しさ。アルペジオのピアノに支えられてヴァイオリンが優しく心を慰めてくれます。中間部では、暗鬱な短調でありながら、決して心沈むことなくピアノの美しさに身を委ねたいと思う。
フィナーレのロンドは、快活さ溢れるヴァイオリンと少しメランコリックな低音重視のピアノとの融合。それでいてチャーミング。
パールマン:バレンボイムの絶妙のアンサブル、モーツァルトの陰影を見事に表現した、さすがのソナタ集となっております。
@ちなみに41番 変ホ長調は、第1楽章に、かの「ジュピター音型」が出てきますよ!!



2016年4月23日土曜日

チャイコフスキー 組曲第4番

今朝の一枚。
あまり聴く機会は無いと思いますが、チャイコフスキーは、4つの管弦楽組曲を残しています。
その中で今日ご紹介したいのは、組曲第4番 ト長調 Op.61 「モーツァルティアーナ」 。全集の演奏は、ドラティー:ニューフィルハーモニー管弦楽団(1966年録音)。
この組曲は、4つの曲で構成されています。
1.ジーグ。。。(ピアノのための小さなジーグ K.574より)
2.メヌエット。。。(メヌエット K.355)
3.祈り。。。(アヴェ・ヴェルムコルプス K.618)
4.主題と変奏曲。。。(グルックの歌劇『メッカの巡礼』:アリア「愚かな民が思うには」の主題による10の変奏曲 K.455)
と、K.618以外は、聴きなれないピアノでの曲が選ばれています。
チャイコフスキーは、スコアの裏面に「モーツァルトの多数の優れた小規模曲は、なぜか一般のみならず音楽家の大部分にもほとんど知られていない。作曲者が「モーツァルティアーナ」と名付けた編曲の組曲は、簡素な形式ではあるが、十分得難い美しさをもったこれら珠玉のような作品が、よりしばしば演奏されるための新しい糸口を与えることを期待するものである」(以上、音楽之友社『作曲家別名曲解説ライブラリー/チャイコフスキー』より引用)と書いているといいます。
チャイコフスキーもやはりも「モーツァルティアン」だったようですね。

2016年4月22日金曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第20盤&23番_グルダ(C&P)

今夜の一枚。グルダの弾き振りによるモーツァルト ピアノ協奏曲20番、23番:北ドイツ放送交響楽団(1993Live)を。
グルダの20番と言えば、74年のアバド;ウィーンフィルとの競演、23番と言えば、83年のアーノンクール;コンセルトヘボウとの競演が有名ですが、今日はこちらで。
グルダの鼻歌も椅子の軋み音も一つの贅沢として聴いておこうか。
””モーツァルトがそこに居て弾いてるかの如く””と言えば大袈裟か。
トラックの最初は、23番です。
第一楽章アレグロ、何と優しく柔らかなピアノの音であろう。NDRとも思えぬ優雅な弦の響きも素晴らしい。中間部のピアノタッチは、まさに天上からこぼれ出るような音色。もうこの第一楽章だけで誰もが感激してしまうでしょう。
第二楽章、有名な短調のアダージョ。グルダは少し早目のテンポで淡々と弾いていく。深い情念的なものではなく、哀愁さが滲み出たタッチとでも言ったらいいだろうか。
第三楽章、アレグロアッサイ。NDRの木管群とピアノの融合、哀しみと喜びの感情をウェーブのように揺れ動く気品を備えたこのフィナーレを見事に表現してくれている。
そして、20番。
第一楽章、アレグロ。冒頭のデモーニッシュな低弦の凄みはさすがNDR。
ここでは、グルダは一音一音を確かめるようにタッチしていきます。それでいて疾走感を失わず、どこまでもナチュラルに音の粒を飛ばしていきます。オーケストラもアバドの時のモタモタ感は解消されている。そしてベートーヴェンのカデンツァがまた素晴らしい。ライブでの高揚感と相まって、まるで一個のソナタのよう。天才グルダの体現を感じます。
第二楽章、ロマンス。慈しみのフレーズから突如現れる短調の調べが特徴的であるが、ここでもアバド盤よりも速いテンポがしっくりきます。
第三楽章、ロンド アレグロアッサイ。
憂いを含んだニ短調のアルペジオ。和らぎと荒ぶる魂の揺れ動きをグルダの流れるような繊細なタッチが表現し、一気呵成にカデンツァまで突き進む。そして再びベートーヴェンのカデンツァ。この後フィナーレにおいてニ長調のコーダが、やっとこの曲の重苦しさから解放してくれる。
これは、モーツァルト好きには、堪らない一枚です。

2016年4月16日土曜日

モーツァルトのカンタータ

今朝の一曲。聴きなれない曲名 モーツァルトのカンタータ「悔悟するダヴィデ」K.469。
実は、この曲あの有名な未完成曲「大ミサ曲 ハ短調 K.427(K6.417a) 」_キリエ・グロリアの改作なんです。
多忙極めるモーツァルト君。名誉ある音楽家たちの未亡人や孤児のために設立されたウィーン音楽芸術家協会(のちのウィーン楽友協会)の演奏会に間に合わせるために、2曲のアリアを加えてダ・ポンテの協力よろしく、ちゃっかり演奏しちゃいます。
「ザルツブルグでのミサ曲の披露は、ウィーンには知られてないもーん!!」
さて、間に合わせで作った第6曲テノール独唱の「数知れぬ悩みの中で」。この曲が大好きです。序奏のクラリネット、オーボエ、フルート、ファゴットのお得意の繋ぎの旋律。そしてテノールの登場。優しさと愛情に包まれたメロディ。
そして第8曲ソプラノのアリア「暗い、不吉な闇の中から」 。
ドラマチックなハ短調で始まる曲は、キリエの有名な旋律にも負けない美しさ。後半は一転してハ長調でのコロラトゥーラ。
モーツァルトならではの2曲です。
演奏は、クイケン指揮ラ・プティット・バンド+オラ・ンダ室内合唱団。コーラスも見事です。ソプラノのクリスティーナ・ラキさんの声も素晴らしい。
そして、なにげにこのCD モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618 のおまけつき。
さあ、朝風呂はいろう!!

2016年4月15日金曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第9番&21番_ワイセンベルク

金曜日の夜のとっておきの一枚。
モーツァルト ピアノ協奏曲第9番{ジュノーム}、ピアノ協奏曲第21番。ワイセンベルク:ジュリーニ+ウィーン交響楽団(1977&78)。
このコンビと言えば、ブラームスのピアノ協奏曲第1番、も有名ですが、今夜はモーツァルトでいきたい。
第9番 変ホ長調「ジュノーム」。
オーケストラの主題の提示にすぐさまピアノが応える画期的なスタイル。なにかワクワクしたものを感じさせる始まり。しかし軽やかでありながら、どことなく切ない長調のメロディ。第二楽章への暗示なのだろうか?
その第二楽章は、変ホ長調の平行調である「ハ短調」。
モーツァルト27曲のピアノ協奏曲の内、短調の緩徐楽章をもつのは、この9番、18番、22番、23番の4つだけ、その中で最も長く、最も悲嘆にくれたメロディ。この悲しみは若者モーツァルトのどこから生まれるのだろう。
弱音器のヴァイオリンの低重音が生み出す苦悩。そこをさまようピアノ。もがき苦しみから少しずつ「光」を見出すかのような木管の音色、しかしピアノは、まだ苦悩の彷徨の中。やはり、モーツァルトの天才的な凄みは、こうした短調の中にある。
ワイセンベルクの少し硬めのコロコロした音は、純粋な響きで美しい。決して重くならず淡々と奏でられるピアノからモーツァルトの心の内から滲み出る寂寥感を紡ぎだすといった感じだろうか。こういった演奏もいいなと思う今日この頃でありました。


2016年4月9日土曜日

ハイドン 交響曲第92番&95番

久し振りにセルのハイドンを聴こうか。(SONY CLASSICAL MASTERS BOX SETより)
まずは、大好きな92番 ト長調「オックスフォード」から。
第1楽章、ゆったりとした優しい序奏から平行短調へ移行し、あろうことか第一主題は属七和音という、変わり種。
第2楽章は、緩徐楽章でありながら、劇的な短調を中間部より登場させる憎さ。
続いて95番 ハ短調。ハイドンの後期交響曲において、数少ない短調のシンフォニー。この曲の面白さは、1つは序奏が無いこと。
そして第1楽章 第2主題でのヴァイオリンの独奏(たった2小節)があり、第2楽章 第1変奏でチェロ独奏とヴァイオリンの掛け合いがあり、第3楽章 トリオでのチェロの独奏、と極めて面白い構成。
ハイドンのシンフォニーは、こうしたいろんな仕掛けを味合うのが一つの醍醐味かも。

ドイツ・レクイエム 8

月に一度は聴きたくなるシリーズ。ブラームス「ドイツ・レクイエム」。今夜は、ケーゲル:ライプツィヒ放送響&合唱団(1985年録音)にて。
まずこの演奏のコーラスのクオリティーの高さに脱帽であるが、元々合唱指揮者でもあったケーゲルの真価が顕れている。オーケストラは、非常にソフトな仕上がり、弱音での美しさ。ライプツィヒのパウル・ゲルハルト教会の音響の良さも手伝い、あたかも天上から降り注ぐ音楽の如き出来栄えです。
第3曲、バリトンのジークフリート・ローレンツはあまり知らない歌手ですが、張りのある声でドラマチックです。
第5曲、ソプラノのマリアンネ・ヘガンデルも透明感のある美しい声で「慰め」の歌を綴ります。
第6曲、勝利の後の140小節にわたる大フーガ、まるでライブのような高揚感も素晴しいものがあります。
ドイツ・レクイエムは、何十枚も所有しておりますが、こちらは、ベスト3に入る名演とさせていただきます。

2016年4月3日日曜日

ドヴォルザーク 糸杉_ウィーン弦楽四重奏団

夕食の前に一曲。
ドヴォルジャーク「糸杉」~弦楽四重奏のための~。
ウィーン弦楽四重奏団で。
元々は、歌曲集(18曲)です。グスタフ・フレーガー=モラヴスキーの詩集「糸杉」から編まれたもので、24歳の時にドヴォルザーク自身の実らなかった初恋への思いをこめた作品なのだそうです。どれも美しい哀愁たっぷりの曲です。さすがメロディメーカーのドヴォルジャークですね。弦楽四重奏曲は、その22年後に編曲されました。うち12曲です。ウィーン弦楽四重奏団の上品な音色がこの曲の「優しさ」「深さ」を紡いでくれます。

2016年4月2日土曜日

ブルックナー 弦楽五重奏曲

夕方まで「ブルックナー タイム」。
まずは、弦楽五重奏曲ヘ長調。弦の王国チェコのプラハ音楽アカデミーとドラマチックアーツ(AMU)の卒業生により結成されたコチアン弦楽四重奏団(コチアンの名は彼らの師匠コチアンから:スメタナSQの名チェリスト)+ルボミール・マリー(1stヴィオラ)<プラハSQのメンバー)。
まろやかな弦の響きが、第3楽章Adaigoを始めるともうそこは天上の世界のようだ。

2016年3月27日日曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第13番&15番&16番_内田光子:テイト

今日は、午後から上野方面へでかける。その前に一枚。
内田光子(P)ジェフリーテート:イギリス室内管によるモーツァルトの中期ピアノ協奏曲から13番.15番.16番。
13番 いきなり弦楽群によるフーガから始まる壮大なオーケストレーションです。モーツァルトのハ長調の曲は総じて雄大な始まりが多いことに気づくでしょう。後期作品に劣らず、中期コンチェルトにおいても緩徐楽章は極めて美しいです。この13番は優しさに満ちています。でも13番のベストは3楽章アレグロ。お得意の8分の6拍子のメロディからピアノに入ると一転のハ短調のアダージョが登場します。これに私はやられてしまいます。モーツァルトの天才的な遊び心がよく表現された隠れた名曲です。
15番 中期の中では一番のお気に入りです。非常に可愛らしい主題から始まります。ピアノは非常に華やかなパッセージを紡いでゆきます。心がウキウキします。そして緩徐楽章。これは最高傑作です。モーツァルト 癒しのメロディー。ピアノの細やかなアルペジオの変奏。溜息ものです。第3楽章、映画「アマデウス」でも使用された舞曲風のメロディー。まさに春にぴったりのアレグロです。フルートが効いています。
16番 実にシンフォニックな曲です。この作品はトランペットとティンパニを含む大編成です。モーツァルトはこうした曲はニ長調を使用しますね。付点による下行旋律が魅力的です。16分音符のピアノが始まると華やかさが一層増してきます。緩徐楽章は、子守歌のようです。
非常に魅力的な3曲です。

2016年3月26日土曜日

シューマン 交響曲第4番_クナッパーブッシュ

今朝は、春に備えて庭の手入れをしておりました。
やっと音楽の時間です。今朝の一枚。クナッパーブッシュ:ウィーンフィル 1962年のライブ「シューマン 交響曲第4番」と「R・シュトラウス 死と変容 Op.24」のAltusのCDです。
以前、シューマンの4番は、フルトヴェングラーさえあればいいと書きましたが、クナのこの演奏を忘れてました。この2つさえあればいいです。(と書きつつ、バーンスタイン、コンヴィチュニー、ドヴォナニー、クレンペラー、セルを始め何十枚も持っている矛盾)。
さて当該CD、以前の海賊版に比べ格段に音が良くなっています。
拍手から始まり、鳴りやまぬ間に、心を抉る深い冒頭の音に観客も私も直ぐに引き込まれます。第2楽章は、ウィーンフィルの弦楽群ならではの寂寥感あふれる演奏。この美しいウィーンフィルからクナは、終楽章に恐ろしいまでの低重心の弦の響きを導き出します。唸る金管もまるでワグナーを演奏しているような暗い咆哮を見せます。クナらしい絶妙な間とテンポの揺れ、スケールの大きな演奏です。「R・シュトラウス 死と変容 Op.24」も当然圧倒的に素晴らしいのですが、これはまた後日です。

2016年3月25日金曜日

バッハ マタイ受難曲

今日は、休暇を戴き「人間ドッグ」へ行ってきました。
老眼が酷くなってから、近視がガンガンよくなり 右1.2 左1.5に回復
なんでや!!
さて午後からは、「マタイ受難曲」を聴いております。
「今日は、聖金曜日ですから」ってキリスト教徒でもなのに。
定番ですが、やはりカール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団(1958年6~8月録音)で。
エルンスト・ヘフリガー(T,福音史家)、キート・エンゲン(B,イエス)、イルムガルト・ゼーフリート(S)ヘルタ・テッパー(A)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)、ミュンヘン少年合唱。

2016年3月21日月曜日

チャイコフスキー&ラフマニノフ ピアノ協奏曲

今朝の一枚。
その名演は、リヒテルが西側での演奏を許可される前年の1959年。「鉄のカーテン」の向うで第二次大戦での悲惨な記憶をもつリヒテルの魂の迸りを感じる誰もが知る名曲の2曲である。
「チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番」ムラヴィンスキー:レニングラードフィル。
「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」ザンデルリンク:レニングラードフィル。
ロシア;メロディアによるMONO録音であるが、そのようなことはこの演奏において些末なことにしか思えない。
【チャイコフスキーのピアノ協奏曲】は、3年後に某帝王との名盤と呼ばれる(?)演奏があるが、帝王臭に染められた曲作りによる凡庸なリヒテルはここにはいない。
ムラヴィンスキーの凛とした筋肉質のバックアップにより、力強く生命感にあふれ、水を得た魚のように弾けまわるリヒテルのピアノ。鉄のカーテンならぬ、分厚いオーケストラのフォルテのカーテンを突き破るようなピアノの音に誰もが感動せずにはいられない。
【ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番】は、指揮はドイツ人(東プロイセン)のザンデルリンク。ザンデルリンクは、ソヴィエトに亡命しており、レニフィルの第一指揮者となりムラヴィンスキーの元で研鑽を積んでいます。この演奏の翌年に東ドイツに戻り、ベルリン交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデンへ。
冒頭のあの大きな手が叩き出す鐘の音。その後に続くレニフィルの重厚な弦の響き。これだけでもう降参!ザンデルリンクには悪いがこれはムラヴィンスキーの音であろう。リヒテルの情熱的な鍵打から音の輝きが活き活きと弾け飛んできます。大好きな第2楽章のカデンツァと終結部、リヒテルはここも水晶のような音の粒を飛ばしながらも決して甘くならず厳格に重厚に弾いてくれる。
第3楽章冒頭、強いながらも繊細なリヒテルのタッチの独壇場。抒情的な第2主題においても堅めのタッチで芝居臭いロマンチシズムを感じさせぬ所が「男前」だ。終結部は圧巻の一言。「ラフマニノフ終止」に向かってピアノ・オーケストラ一体となっての盛り上がり。
月曜日の休日は最高だ!

2016年3月20日日曜日

メンデルスゾーン 交響曲第5番「宗教改革」_ミュンシュ

今朝の一曲。メンデルスゾーン 交響曲第5番ニ短調 Op.107 『宗教改革』 。チャールズ・ミュンシュ:ボストン交響楽団(1957録音)にて。
ミュンシュお得意の情熱的な演奏をボストン・サウンドが支えます。
第1楽章 冒頭の「ドレスデン・アーメン」。静謐なる上昇旋律を美しい弦が奏で、明確な管楽器のコーラルが敬虔な音楽を紡ぎだします。主題部のドラマチックな推進力は、{This is Munch!}。
第2楽章 メンデルスゾーン得意のスケルツォ。好きなのは「トリオ」。オーボエとチェロとヴィオラのメロディー。
第3楽章 アンダンテは、涙ものです。メランコリーな旋律に添えられたフルートのすすり泣きが堪りません。
第4楽章 そのフルートが、ルターのコラール「我らが神は堅き砦なり」を奏でます。そこからクライマックスのフーガまで痛快なボストンサウンドが炸裂。クソ長い指揮棒を振り回すミュンシュの指揮が浮かんできそうです。

2016年3月19日土曜日

マーラー 交響曲第3番_ベルティーニ

今日はお客様とゴルフです。ゴルフ場まで車で約一時間半、ドライブのお供は、ベルティーニ:ケルン放送響にて、マーラー 交響曲第3番。時間的にちょーどいい。只今、コンビニにていっぷく中。

マーラー 交響曲第1番_コンドラシン

今日の一曲。マーラー 交響曲第1番 ニ長調。
1981年3月7日、クラウス・テンシュテットが急病で本番直前にキャンセルした北ドイツ放送交響楽団のアムステルダム公演。
たまたまアムステルダムにいたコンドラシンが指揮を引き受ける。リハーサル無しのぶっつけ本番。
この時、コンドラシン自身も、必死にコンドラシンの棒に喰らいつくNDRのメンバーも<神の領域>にあったのかもしれない。
ドラマチックな推進力をもった演奏。最後の鮮烈なコーダを聴いて感動しない者はいないだろう。多少の瑕疵はなんのその。
そして、大成功の演奏会直後、コンドラシンはホテルに戻り、心臓発作で亡くなります。
コンドラシンには、R・コルサコフ「シェラザード」、クライバーンとのチャイコのピアノコンチェルト、アシュケナージとのラフマニノフのピアノコンチェルト、ショスタコーヴィッチの13番などなど数多くの名盤がありますが、この魂のLIVEをNo.1とさせていただきます。